外壁塗装工事にかかる費用相場は、30坪の一戸建て住宅で約90万円、40坪の一戸建て住宅で約110万円です。
外壁塗装の費用は住宅の構造や外壁の種類、付帯物によって変動します。自宅の外壁塗装にどのくらいの費用がかかるのか、この記事で解説する坪数別の相場と見積もり事例を参考にしてみてください。
目次
住宅の坪数別にかかる外壁塗装の費用相場
外壁塗装の費用相場
住宅の坪数 | 費用相場 |
---|---|
20坪 | 約500,000~1,000,000円 |
30坪 | 約600,000~1,200,000円 |
35坪 | 約700,000~1,300,000円 |
40坪 | 約800,000~1,400,000円 |
50坪 | 約1,000,000~1,700,000円 |
60坪 | 約1,300,000~2,000,000円 |
100坪 | 約2,000,000~3,200,000円 |
屋根+外壁塗装の費用相場
住宅の坪数 | 費用相場 |
---|---|
20坪 | 約800,000~1,300,000円 |
30坪 | 約900,000~1,500,000円 |
35坪 | 約1,000,000~1,600,000円 |
40坪 | 約1,100,000~1,700,000円 |
50坪 | 約1,300,000~2,000,000円 |
60坪 | 約1,600,000~2,300,000円 |
100坪 | 約2,300,000~3,500,000円 |
一般的な30坪戸建て住宅の外壁塗装の費用相場は約60万~120万円です。屋根を含めて塗装した場合は外壁塗装の費用に30~40万円が追加されると考えておいてください。
外壁塗装工事費の内訳
外壁塗装にかかる費用は主に「塗料代」「工事の人件費」「足場代」「外壁以外の付帯物の塗装」「外壁や屋根の種類と状態」「外壁塗装工事に関わる諸経費」で構成されています。
外壁の塗料代
外壁塗装に用いられる主な塗料は「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「ラジカル」「フッ素」「光触媒塗料」「無機塗料」の7種類です。塗料は耐久性によってグレードと費用相場が設定されています。2色以上の塗料で外壁を塗る場合、一般的には追加費用がかかります。
塗料の種類と費用相場
塗料の種類 | 耐久年数 | 費用相場/㎡ |
---|---|---|
アクリル | 5~7年 | 1,500~2,000円/㎡ |
ウレタン | 8~10年 | 1,800~2,600円/㎡ |
シリコン | 10~15年 | 2,300~3,400円/㎡ |
ラジカル | 12~16年 | 2,700~3,500円/㎡ |
フッ素 | 15~20年 | 3,800~5,000円/㎡ |
光触媒 | 15~20年 | 4,400~5,400円/㎡ |
無機 | 20~25年 | 4,700~6,000円/㎡ |
外壁塗装工事にかかる人件費
塗装の作業を進める職人や関係者の人件費は30坪の一戸建て住宅で約35万円かかります。家の外壁塗装の場合「高圧洗浄費」は欠かせません。また場合によっては「シーリング補強費」も必要になります。
外壁塗装の主な人件費
工事項目 | 価格相場 | |
---|---|---|
飛散防止ネット | 100~200円/㎡ | |
高圧洗浄 | 100~300円/㎡ | |
養生 | 250~400円/㎡ | |
施工費 | 1,000円~2,000円 /㎡ | |
付帯塗装工事 | 軒天・雨樋・破風板 | 650~1,200円/㎡ |
雨戸 | 2,000~5,000円/枚 | |
シーリング打ち替え | 900~1,500円/m | |
シーリング増し打ち | 500~1,000円/m | |
諸経費 | 現場管理費 | 30,000~50,000円/一式 |
廃材処理費等 | 10,000~30,000円/一式 |
住宅の周囲に設置する足場代
塗装する建物の階数や屋根塗装の有無によって、足場を組むための足場代がかかります。足場の単価の目安は1㎡あたりで約600円~800円です。30坪の住宅では約13万円~18万円を足場代として見込んでおきましょう。
[足場代は以下の計算式で算出します。]
①足場は家から少し離れた場所に設置するため、まず足場をかける面積(足場架設面積)を計算し、足場の広さを求めます。※家の外周を足した8mが、外壁(家)から足場までの距離に相当します。
家の高さは次のようになります。
1階建て=約3.5m
2階建て=約6m
3階建て=約8.5m
まずは足場架面積を計算します。
足場架面積=[家の外周+8m]×高さ
外周20mで2階建ての家ですので
(20+8)×3.5=168㎡
足場架面積は168㎡ということがわかります。
②足場代(㎡単価)と飛散防止ネット(㎡単価)、さらに①で算出した足場架面積から、足場代を算出します。
足場代(㎡単価) |
600~800円/㎡ |
---|---|
飛散防止ネット(㎡単価) |
100~200円/㎡ |
足場架面積が168㎡でしたので仮に足場代と飛散防止ネットの合計を1,000円/㎡とすると、
168×(800+200)=168,000円
ということが分かります。
つまり、30坪程度の一般的な住宅の外壁塗装に必要な足場代だけでも、16万円前後もの費用が必要になってきます。
足場作業は、職人さんの習得に非常に時間がかかるといわれている為、
ほとんどの塗装会社は足場の専門業者に依頼します。
つまり、外注した足場の費用も工事費に含まれるのが一般的です。
傾斜地にある建物や狭い路地の奥で車が入れない場合や隣接する建物が接近している場合、ガードマンが必要な場合などは、さらに追加費用が発生することがあります。
外壁以外に塗装する付帯物
外壁や屋根以外の塗装にかかる費用です。
主な付帯物の塗装費用
外壁以外の付帯物 | 費用相場 |
---|---|
雨どい | 650~1,200円/㎡ |
破風板 | 650~1,200円/㎡ |
雨戸・戸袋 | 2,000~5,000円/枚 |
シャッターボックス | 2,000~3,000円/㎡ |
水切り | 500~850円/m |
喚起フード | 500~1,000円/箇所 |
外壁の種類や状態
サイディングやALC外壁など、壁材に「目地」という継ぎ目がある場合はメンテナンス費用がかかります。メンテナンスでは傷んだ目地のコーキングを打ち替えたり、増し打ちをしたりします。目地のないモルタル外壁ではメンテナンス費は不要です。ただし屋根や外壁が劣化している場合、塗装前に補修費用が発生します。
外壁塗装工事に関わる諸経費
廃材の処分費用や管理費用、図面作成代行費用、現場調査費用、見積もり算出費用、交通費などの諸経費です。30坪の一戸建て住宅だと約5〜10万円を諸経費の相場と考えておきましょう。
坪数別の外壁塗装工事の見積もり事例
15坪~100坪までの住宅で外壁塗装を行った見積もり例を掲載いたします。家の塗装費用の参考としてチェックしてみてください。
15坪の住宅の外壁塗装費用
項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|
足場、メッシュシート込み | 一式 | 40,000 | |
水洗い | 一式 | 15,000 | |
養生 | 一式 | 27,500 | |
軒天、破風、鉄部塗装 | 一式 | 35,000 | |
下塗り | 98㎡ | 500/㎡ | 49,000 |
中、上塗り、2液Fウレタン | 98㎡ | 1200/㎡ | 117,600 |
軒天取り換え大工工事 | 1ヶ所・一式 | ||
目地コーキング打ち替え、打ち増し | 一式 | 45,000 | |
ゴミ処理、雑費 | 一式 | 10,000 | |
小計(税抜) | 339,100 | ||
消費税 | 33,910 | ||
合計(税込) | 373,010 |
20坪の住宅の外壁塗装費用
項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|
足場、メッシュシート込み | 一式 | 60,000 | |
水洗い | 一式 | 20,000 | |
養生 | 一式 | 36,700 | |
軒天、破風、鉄部塗装 | 一式 | 46,700 | |
下塗り | 98㎡ | 674/㎡ | 66,000 |
中、上塗り、2液Fウレタン | 98㎡ | 1617/㎡ | 158,400 |
軒天取り換え大工工事 | 1ヶ所・一式 | ||
目地コーキング打ち替え、打ち増し | 一式 | 60,000 | |
ゴミ処理、雑費 | 一式 | 13,300 | |
小計(税抜) | 461,100 | ||
消費税 | 46,110 | ||
合計(税込) | 507,210 |
30坪の住宅の外壁塗装費用
項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|
足場、メッシュシート込み | 一式 | 90,000 | |
水洗い | 一式 | 30,000 | |
養生 | 一式 | 55,000 | |
軒天、破風、鉄部塗装 | 一式 | 70,000 | |
下塗り | 98㎡ | 1000/㎡ | 98,000 |
中、上塗り、2液Fウレタン | 98㎡ | 2400/㎡ | 235,200 |
軒天取り換え大工工事 | 1ヶ所・一式 | ||
目地コーキング打ち替え、打ち増し | 一式 | 90,000 | |
ゴミ処理、雑費 | 一式 | 20,000 | |
小計(税抜) | 688,200 | ||
消費税 | 68,820 | ||
合計(税込) | 757,020 |
35坪の住宅の外壁塗装費用
項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|
足場、メッシュシート込み | 一式 | 105,000 | |
水洗い | 一式 | 35,000 | |
養生 | 一式 | 64,200 | |
軒天、破風、鉄部塗装 | 一式 | 81,700 | |
下塗り | 98㎡ | 1174/㎡ | 115,000 |
中、上塗り、2液Fウレタン | 98㎡ | 2817/㎡ | 276,000 |
軒天取り換え大工工事 | 1ヶ所・一式 | ||
目地コーキング打ち替え、打ち増し | 一式 | 105,000 | |
ゴミ処理、雑費 | 一式 | 23,300 | |
小計(税抜) | 805,200 | ||
消費税 | 80,520 | ||
合計(税込) | 885,720 |
40坪の住宅の外壁塗装費用
項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|
足場、メッシュシート込み | 一式 | 120,000 | |
水洗い | 一式 | 40,000 | |
養生 | 一式 | 73,300 | |
軒天、破風、鉄部塗装 | 一式 | 93,300 | |
下塗り | 98㎡ | 1347/㎡ | 132,000 |
中、上塗り、2液Fウレタン | 98㎡ | 3233/㎡ | 316,800 |
軒天取り換え大工工事 | 1ヶ所・一式 | ||
目地コーキング打ち替え、打ち増し | 一式 | 120,000 | |
ゴミ処理、雑費 | 一式 | 26,700 | |
小計(税抜) | 922,100 | ||
消費税 | 92,210 | ||
合計(税込) | 1,014,310 |
50坪の住宅の外壁塗装費用
項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|
足場、メッシュシート込み | 一式 | 150,000 | |
水洗い | 一式 | 50,000 | |
養生 | 一式 | 91,700 | |
軒天、破風、鉄部塗装 | 一式 | 116,700 | |
下塗り | 98㎡ | 1684/㎡ | 165,000 |
中、上塗り、2液Fウレタン | 98㎡ | 4041/㎡ | 396,000 |
軒天取り換え大工工事 | 1ヶ所・一式 | ||
目地コーキング打ち替え、打ち増し | 一式 | 150,000 | |
ゴミ処理、雑費 | 一式 | 33,300 | |
小計(税抜) | 1,152,700 | ||
消費税 | 115,270 | ||
合計(税込) | 1,267,970 |
60坪の住宅の外壁塗装費用
項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|
足場、メッシュシート込み | 一式 | 180,000 | |
水洗い | 一式 | 60,000 | |
養生 | 一式 | 110,000 | |
軒天、破風、鉄部塗装 | 一式 | 140,000 | |
下塗り | 98㎡ | 2000/㎡ | 196,000 |
中、上塗り、2液Fウレタン | 98㎡ | 4800/㎡ | 470,400 |
軒天取り換え大工工事 | 1ヶ所・一式 | ||
目地コーキング打ち替え、打ち増し | 一式 | 180,000 | |
ゴミ処理、雑費 | 一式 | 40,000 | |
小計(税抜) | 1,376,400 | ||
消費税 | 137,640 | ||
合計(税込) | 1,514,040 |
100坪の住宅の外壁塗装費用
項目 | 数量 | 単価 | 金額(円) |
---|---|---|---|
足場、メッシュシート込み | 一式 | 300,000 | |
水洗い | 一式 | 100,000 | |
養生 | 一式 | 183,300 | |
軒天、破風、鉄部塗装 | 一式 | 233,300 | |
下塗り | 98㎡ | 3368/㎡ | 330,000 |
中、上塗り、2液Fウレタン | 98㎡ | 8082/㎡ | 792,000 |
軒天取り換え大工工事 | 1ヶ所・一式 | ||
目地コーキング打ち替え、打ち増し | 一式 | 300,000 | |
ゴミ処理、雑費 | 一式 | 66,700 | |
小計(税抜) | 2,305,300 | ||
消費税 | 230,530 | ||
合計(税込) | 2,535,830 |
外壁塗装の費用は依頼する業者によって金額が変わる
外壁塗装は、大きく分けて「ハウスメーカー」「リフォーム会社」「塗装専門の工務店」の3つの業者が行っています。それぞれの業者にはメリットとデメリットがあり、工事費用も違います。
ここからは、3つの業者を詳しく解説し、外壁塗装はどの業者に依頼すべきかを考えてみましょう。
ハウスメーカー
ハウスメーカーを選ぶメリットは、家の構造をよく知っていることです。
デメリットは、実際の作業は下請け業者が行うため、中間マージン分の費用が加算されることです。そのため、一般的な塗装専門の工務店よりも外壁塗装が約20%ほど高くなってしまいます。
リフォーム会社
リフォーム会社を選ぶメリットは、外壁塗装のついでに内装設備もひとまとめで頼めることです。
デメリットは、ハウスメーカーと同様に実際の作業は下請け業者が行う場合が多く、中間マージンが発生するため費用が高くなることです。
塗装専門の工務店
塗装専門の工務店を選ぶメリットは、外壁塗装や屋根塗装の専門家のため、専門的なサービスを受けられることです。自社の職人が工事を担当する場合、中間マージンが発生しないため、ハウスメーカーやリフォーム会社に比べ安く依頼することができます。
外壁塗装の費用を抑えるポイント
相見積もりを利用する
複数の塗装業者から見積もりをとって比較・検討してみましょう。1社からとった見積もりだけでは塗装費用が適正かどうか判断できないためです。
また、相見積りをする際は、塗る箇所や使ってほしい塗料など「共通した条件」で依頼することがポイントです。
例えば「A社には外壁だけ」「B社には外壁と屋根」「C社には最高級塗料で外壁と屋根」という条件で見積もり依頼をすれば、C社が一番高い値段になります。なぜならば、外壁塗装の値段は、塗る面積が大きくなればなるほど高くなり、塗料が高級になればなるほど高くなるからです。
諸経費の内訳を確認しておく
見積もりの最後に「諸経費」と書いてあることがあります。諸経費とは、廃材の片づけ費用や通信費のように直接工事に関係のない経費です。一般的に諸経費の相場は、合計額の20%以内といわれていますが、大幅に相場を超えているときには内訳を聞いてみるといいでしょう。
助成金や補助金を活用する
外壁塗装に利用できる補助金や助成金があるか自治体に確認してみましょう。特定の塗料を使用した塗装工事など、条件付きで補助金を支給する場合があるためです。
閑散期に塗装工事を依頼する
塗装工事の閑散期である夏と冬に依頼することも考えてみましょう。特に梅雨の時期と冬場は、降雨や降雪の影響で塗料の乾燥と硬化が遅く塗装工事に不向きなため、費用を安く設定する業者もいます。
火災保険を活用する
自然災害によって外壁が損傷した場合は火災保険の契約内容を確認してみましょう。火災保険の補償範囲に落雷や強風、ひょう、雪による被害が含まれている場合、塗装にかかる費用が補償される可能性があるためです。
外壁業者選びのポイント
地元での豊富な施工実績がある
地元での施工実績がたくさんある業者を選んでみましょう。施工内容はもちろん、一見わかりにくい近隣住民への配慮やコミュニケーションなどを含めた評判が、施工実績の数につながっている場合があります。
詳細な見積もりを提供してくれる
見積もり書に細かく工事内容の内訳を記載してくれる業者から選んでみましょう。見積もり書の記載が大雑把だと、当初記載していない工事を追加費用として後日請求して、依頼主とのトラブルに発展するケースも多いためです。
塗料メーカーから保証が出ている
塗料メーカーの保証書が発行されている業者から選ぶ手段もあります。保証は塗料メーカーが信用した一部の業者にしかつかないため、工事の「品質」や「信頼性」を事前に判断するひとつの指標として考えてみてよいでしょう。