外壁塗装を検討している方にとって、一番気になるのが、
- 屋根・外壁塗装の目安の期間はどれくらいなのか
- 各工程のスケジュールや日数
- 工程ごとに想定しておく注意点
このようなことではないでしょうか。
塗装工事中は、窓を自由に開けることができなったり、外に洗濯物を干せなかったりがストレスになるので、期間の目安を知って心の準備をしておきたいですよね。
このページでは、このような内容についてお答えしていきます。
このページで分かること |
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■塗装工事の期間 ■工程ごとのスケジュール ■各工程の注意点 ■日数から判断できる悪徳な塗装業者 ■塗装工事中の窓を開けられるタイミング |
また、塗装工事にかかる期間が分かれば、手抜き工事の危険性がある業者も選別することができます。こちらのポイントにも触れながら、期間や工程について分かりやすくお伝えしていきます。
目次
外壁塗装の目安の期間は7日~14日
外壁塗装の期間は7日~14日が平均的な日数です。家の大きさによっても異なりますが、平均的な家の場合は以下のようになります。
※30坪/2階建てを想定
外壁のみ | 7~10日 |
外壁+屋根 | 10~14日 |
塗装工事の工程の箇所でもお話しますが、この日数は全てがスムーズに行った場合のものです。基本的にこの日数より早く終わることはありません。
職人さんの数が3~4人と多い場合は、外壁と屋根など同時に施工を行うことができるので、スケジュールを短縮できる場合もあります。が、一般的な家では1~2人で作業を行うのが普通です。
また、上記の日数に職人さんの休日、天候や気温・湿度などの要因が期間に反映されます。外壁塗装のベストシーズンである「春」や「秋」でも、最低2週間は見ておくのが安心です。
ちなみに、外壁の塗装をする場合は、屋根も一緒に行うのが一般的です。
その理由は、足場の組み立て費用が、塗装工事ごとにかかってしまうからです。
例えば、「外壁塗装」をした後に「屋根塗装」をしようと思うと、2回分の足場組み立て費用がかかります。同時に行えば1度の出費になるので、結果として費用を抑えることができます。ですので、基本的に「外壁」と「屋根」の塗装は同時に行います。
期間が極端に短い業者には要注意
逆に、7日以内の工期を提示してくる業者は要注意です。
外壁塗装の工程の一部を抜かしたり、手抜きをして工事を進めている可能性が高いからです。
工程をしっかり守らないと、後々の耐久性にも影響が出てしまいます。この部分は、業者選定の際の判断基準として覚えておきましょう。
アパート・マンションの目安期間
アパート・マンションの平均的な工期は以下の通りです。
種類 | 目安の期間 |
---|---|
アパート(6戸) | 2~3週間 |
マンション(50戸未満) | 2~3ヶ月 |
マンション(50戸以上) | 3~6ヶ月 |
アパート・マンションに関しても、天候・季節・職人さんの数で期間が異なります。戸建てと比べて、足場の組み立て・塗装箇所などの範囲が広くなるので、その分工期は長くなります。
工程ごとの日数と注意点
続いて、外壁塗装の工程とかかる日数についてです。
各工程 | 目安の期間 | 窓の開放 | 注意点 |
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工事準備 | ー | ○ | ・近所への挨拶 ・外壁周辺の物の移動 ・大切な物の伝達 ・車の移動場所を確保 ・家の状態を撮影 |
足場の設置 | 1日 | △ 設置後は可 | ・車の移動 ・大きな音 ・トラックの搬入出 |
高圧洗浄 | 1日~ | △ 乾燥中は可 | ・水道代の負担 ・洗濯物は干せない ・窓の開放不可 ・騒音の発生 |
下地補修 | 1日~ | ✕ | |
養生 | 1日 | ✕ | ・窓の開放不可 |
塗装工事 | 3日 | ✕ | ・窓の開放不可 ・3回塗りを確認 |
点検・見直し | 1日 | ○ | ・外壁のチェック |
足場の撤去・清掃 | 1日 | △ 撤去後は可 | ・車の移動 |
各工程ごとに、どのようなことをやっていくのか?また、その際の注意点を見ていきましょう。
塗装工事の準備
塗装工事が始まる前には、不安がたくさんありますよね。事前にできる準備としてはこのようなことです。
■近所への挨拶 ■外壁周辺の物の移動 ■大切な物の伝達 ■車の移動場所を確保 ■家の状態を撮影 |
近所への挨拶
外壁塗装の工事では、塗料の飛散や悪臭、大きな音がするので近隣にとって少なからずストレスになることも。トラブルを未然に防ぐためにも、工事を行う日程や時間帯を早めに近所の方へお伝えしておくと安心です。
業者によっては、代わりにお声掛けをしてくれたり、一緒に回ってくれたりするので、事前に相談してみましょう。
ご挨拶の内容例 |
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■工事の期間 ■開始時間と終了時間 ■休日の工事について ■菓子折りなど(必要に応じて) |
外壁周辺の物の移動
塗装の妨げにならないように、外壁近くにある者は移動させておきましょう。
外壁塗装をする際は、外壁近くに足場を設置したり、塗装をするために何周も移動したりする必要があります。近くものがあれば、物の移動を行う手間が増え、結果として工期に影響が出る可能性もあります。
職人さんがスムーズに施工を行えるように、外壁近くにある物は、移動や家などに片付けておくようにしましょう。
大切な物は伝えおく
外壁周辺や敷地内には、大切だけど簡単に動かせない物もあると思います。そういった壊れたら困る物などは、事前にその旨を伝えておきましょう。
塗装業者は敷地内にある物に配慮することは当然なのですが、一言伝えておくとで存在を確実に認識させることができます。人がやっている以上、認識があいまいだと万が一…ということも考えられます。
ですので、大切な物については事前に伝えておきましょう。
車の移動場所の確保
外壁近くに車を駐車している場合、足場の設置の邪魔になったり、塗装が付着する恐れがあります。そのようなリスクを避けるためにも、近隣の月極やコインパーキングなど、移動できる場所を確認しておくと安心です。
業者によって、塗装付着防止のカーシートを用意していたり、対応が異なるので事前に相談しておきましょう。
塗装前に家の状態を撮影
塗装工事が始まる前に、家の状態を撮影して「元の状態」が分かるように記録を残しておくことが大切です。
例えば、外壁の痛みが激しかった場所の補修はしっかりされているのか?など、塗り替え後に確認することができます。また、欠陥工事の被害にあった場合の証拠にもなります。
撮影はスマートフォンでも構わないので、できるだけ細かく撮影をしておきましょう。
足場の設置・飛散防止シート張り
日数 | 1日 |
外壁工事では、高い位置や屋根などの塗装を安全かつ、効率的に進めるために足場を設置していきます。
また、足場の設置が完了したら飛散防止シートを張っていきます。これは、塗料や洗浄水を周囲の家に飛び散るのを防ぐためです。
注意点1:車を移動しておく
足場を設置する際は、車を別の場所に移動しておきましょう。
足場を組み立て時には、それなりの搬入スペースが必要になります。また、資材は重くて長い物が多く、それを持ったまま車の横を通るのはリスクも伴います。
大切な車を守るためにも、安全な場所へ車を移動しておきましょう。
注意点2:大きな音
足場の組み立てる際には、「カンカンカンッ」とハンマーで叩く音が響きます。基本的に作業は日中に行われ、音も一時的なものになります。ですが、音に敏感な方はこの時間帯の在宅を避けるなどしましょう。
注意点3:トラックの搬入出
足場資材は重量なので、家のすぐ近くにトラックを止めて搬入出を行います。そのため、ご近所の方の車が通れないなどで迷惑をかけることがあります。
もちろん、通れない場合は、その都度業者がトラックを一時的に動かしたりなどの対応はします。ですが、大きなトラブルに発展させないように、事前にご挨拶をして近隣の方への理解を求めておくのも大切です。
高圧洗浄
日数 | 1日~ |
塗装工事で重要な工程の一つとなるのが高圧洗浄です。高圧洗浄をすることによって、外壁(屋根)の古い塗膜や、塗装面に付着している汚れ・ホコリ・コケ・藻・カビを洗い流します。
外壁が汚れたまま次の工程に進めば、塗膜剥がれなど様々なトラブルの原因になってしまいます。下塗り剤と壁面をしっかり密着させるため、1日(7~8時間)かけてしっかりと洗浄していきます。
ちなみに、高圧洗浄のあとは乾燥させる時間も必要になります。最低でも24時間、気候や季節によっては48時間くらいかけて乾燥させていきます。
注意点1:水道代の負担
施主の負担となるのが洗浄に使う水道代です。1,000円~2,000円程度と塗装費用に比べれば高額ではありませんが、水道代に関しては基本的に施主が負担することになります。
注意点2:洗濯物は干せない
洗濯物が濡れてしまうので、外干しをすることはできません。水に濡れるだけならいいか!と思われるかもしれませんが、前述したように高圧洗浄は汚れを落とす作業なので、洗濯物が逆に汚れてしまうことにもなりかねません。
注意点3:窓を閉め切る必要がある
水が室内に入るの防ぐため、高圧洗浄中は全ての窓を締め切っておく必要があります。玄関はもちろん、リビング・キッチン・トイレ・廊下などしっかりと締めたか確認するようにしましょう。
注意点4:騒音の発生
高圧洗浄はコンプレッサーで動かすので、周囲に響くような大きな音となります。ご近所の方には、事前に大きな音が出ることを伝えおくしょうにしましょう。
下地処理
日数 | 1日~ |
塗装に入る前に必ず行う工程が、この下地処理です。
この工程では、
- サビや古い塗膜を手作業で落とす「ケレン作業」
- サイディングの隙間を補修する「コーキング工事」
- タッカーの穴をならす「パテ埋め」
などを行い、洗浄で落ちなかった汚れやサビなどをキレイにしたり、古い塗装の膜を剥がしたり、ヒビ割れの補修などを行います。このような作業を行うことで、上塗りとなる塗料が壁面にしっかり付着するようになります。
剥がれにくい塗料は、本来の耐久性能を発揮することができ、建物の劣化を防ぐことに繋がります。
スムーズに進めば1日で終わりますが、外壁の劣化がヒドい場合は2~3日かかることもあります。
養生(ようじょう)
日数 | 1日 |
養生とは、耳慣れない言葉かもしれませんが、ビニール等で塗料の飛び散りを防ぐ工程のことです。
- 玄関ドア
- 郵便受け・表札
- 室外機・給湯器
- 車
- 植物・花壇
このような場所に養生をして、塗料が付着しないように施していきます。
ちなみに、養生をしても通常にエアコンはしようすることができますが、念のために使用の有無を業者に確認しておくと安心です。
注意点1:基本的に窓は開けられない
養生すれば窓全体をビニールで覆ってしまうので、基本的に開閉することはできません。ですが、どうしても換気をしたい場合は、ビニールに穴を開けるなどの相談をすることができます。
また、塗装が後になる部分は、後回しで養生をするようにお願いするなどをして、上手に乗り切るようにしましょう。
ちなみに、窓が開けられない期間は5~7日で、塗装が終了するまでとなります。
塗装工事
塗装の工程は「下塗り」「中塗り」「上塗り」に分けて行います。
基本的に各工程1日かかり、最低でも3日はかかります。
また、上述になりますが、塗装中は基本的に窓の開閉をすることができないことに注意が必要です。
下塗り
日数 | 1日 |
下塗りとは、外壁や屋根に塗る最初の塗料のことです。
下塗りの目的は、
- 上から塗る塗料の密着性を高める
- 「防カビ」「防サビ」など塗装機能の向上
このような理由があります。下塗りを行うことで、上塗り塗料としっかり密着し、塗装がボロボロと剥がれるのを防いでくれます。
また、下塗り塗料には様々な機能を持つものがあります。カビやサビを防ぐものから、太陽光を反射させる遮熱機能をもつものなど。環境に合わせた効果を付帯させることができます。
余談ですが、下塗りの塗料は「白」色になることがほとんど。
この段階では、指定した外壁の色とは異なるので、慌てないようにしてくださいね。
中塗り・上塗り
日数 | 2日 |
この工程では、中塗りと呼ばれる塗装を1回、上塗りを1回行っていきます。こちらの塗装で使用する塗料は基本的に同じものを使用します。
もしかしたら、2回塗らなくてもいいんじゃない?1回なら費用が安く済むかも…と思われている方もいるかもしれません。
ですが、1回だけの塗装では、以下のようなデメリットになることも。
- ムラができ美観に影響がでる
- 塗料の性能が低下する
塗料には「防汚性」「防水性」などの性能を持っていますが、本来の耐久年数を持たずこの性能が落ちてしまうことに繋がります。塗り替え時期の頻度が短くなるリスクがあるので、基本的な塗装は2回必要というわけです。
ちなみに、この工程の最後に破風板・軒天・雨どい・雨戸・水切り・換気扇フードなどの塗装も併せて行ってくれます。
注意点1:3回塗りを確認しておく
一般的な塗料は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗ることになります。悪徳業者の場合は、上塗りを行わない2回塗りにすることで、利益を上げるとする業者も存在します。
もし、見積書を3回塗ることの明記がない場合は、業者に確認しておくようにしましょう。
※塗料の種類によっては2回塗りで完結するのもあります。
屋根の塗装も行う場合
日数 | 3日 |
屋根を塗装する場合も、外壁と同じように「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3工程に分けて行い、期間も3日はかかります。
点検・見直し
日数 | 1日 |
塗装が完了すれば、業者と一緒に確認作業を行います。
注意点:塗り残しやムラがないかをチェック
この際に注意したいのが、外壁の塗り残しやムラなど。また、外壁と水切りの境目など、塗装の飛び散りがないかも確認しておきましょう。
もし、気になる箇所がある場合は、業者に伝えて手直しをしてもらいましょう。
足場の撤去・清掃
日数 | 1日 |
最後の工程は、設置した足場の解体、そして作業中に出たゴミの片付けをして終了となります。一般的に半日・長くても1日で完了する作業です。
注意点:車の移動
足場の設置時と同様、車は別の場所に移動するようにしましょう。鉄材の撤去や移動時にぶつかるリスクがあるからです。
塗装期間は伸びる場合もある!
ここまでお伝えしてきたように、外壁塗装の工期は7日~14日前後になります。ただし、天候等によっては塗装を行えず、工期が伸びてしまうこともあります。
例えば、
- 外壁の経年劣化がヒドい場合
- 雨や台風などで作業ができない場合
- 乾燥に時間がかかる塗料の場合
- 日照時間が短い冬の塗装の場合
などなど。
工期が伸びてしまうと、「窓を自由に開けれない」ことや「室内の薄暗さ」などでストレスに感じることも。
なので、スムーズな作業に繋がるように、塗り替えが必要な時期で家を塗装し、気候や天候に優れたベストな季節を選ぶことも大切になります。