「建物の外壁のコケが目立ってきたのだけれど、きれいに落とせる方法はないの?」
「外壁のコケの予防方法を教えてほしい!」
この記事は、このような疑問や悩みを解決できる内容になっています。
最後までこの記事を読んでいただけると、
・外壁のコケを落とす方法
・コケを放っておくのはダメな理由
・コケを予防する方法
が分かります。
初心者にもわかりやすい言葉で解説していきますので、外壁のコケに悩んでいる人はぜひ参考になさってください。
コケの量が少なく、手の届く範囲内であれば、自分で掃除することもできます。
一方で、コケが頻繁に発生する、高所での作業が必要な場合は、業者に依頼して除去してもらう方が賢明です。コケを除去した後は、再発生を予防するために、この記事で紹介するような施策を行っておきましょう。
目次
なぜ外壁にコケがつくのか?
コケが発生する条件は、湿気と日光不足です。湿った環境ではコケが繁殖しやすく、日光が当たりにくい北側の壁などではコケが付きやすくなります。このような条件のときは、コケが繁殖しやすくなります。
外壁材別にコケが発生する特徴と対策を下記にまとめました。
モルタル外壁:湿気を吸収しやすく、コケがつきやすいため、定期的な高圧洗浄が必要です。
タイル外壁:目地部分に湿気がたまりやすく、コケが発生するため、目地部分の防水処理が有効です。
サイディング外壁:乾式工法が主流で、湿気の吸収は少ないですが、長期間放置するとコケが発生します。防水スプレーを使用して外壁に湿気が溜まらないようにします。
外壁にコケがつく原因は、主に
- 日当たりが悪い
- 風通しが悪い
- 水場が近くにある
が挙げられます。
1つずつ解説していきます。
日当たりが悪い
日当たりが悪い場所では、外壁が乾きにくく、コケが発生しやすくなります。
コケは、湿気の多い場所を好んで生息するからです。
風通しが悪い
風通しが悪い場所でも、外壁にコケが発生しやすくなります。
風通しが悪いと、外壁表面が乾燥しにくく、水分が残ります。
すると、湿気がこもり、コケが繁殖しやすくなります。
水場が近くにある
水場が近くにあると、外壁にコケが発生しやすくなります。
これも湿度が高くなるというのが理由です。
また、水場が近くにあることで、外壁に跳ねた水分が残り、コケが繁殖しやすい環境となります。
コケとカビの違い
項目 | コケ | カビ |
種類 | 植物 | 真菌 |
特徴 | 色は緑色で葉緑素を持ち、自ら光合成を行う。 | 色は多様(黒、白、緑、黄など)、有機物を分解して栄養を得る。 |
生育環境 | 湿気が多く、日陰になりやすい場所。 | 湿気と有機物がある場所。 |
発生原因 | 外壁の表面が湿気を含み、日光が当たりにくい場所。 | 湿気、温度の高い環境、有機物の存在。 |
影響 | 見た目が悪くなり、外壁材の劣化を早める。 | アレルギーや健康被害を引き起こすことがある。 |
コケとカビは見た目が似ているため、どっちか分からないこともありますが、それぞれ異なる特性と影響を持っています。
コケは植物であり、光合成を行いながら成長します。湿気が多く、日陰になる場所に発生しやすく、外壁の美観を損ない、長期間放置すると外壁材の劣化を早めることがあります。
一方、カビは真菌であり、湿気と有機物がある場所で繁殖します。カビはアレルギーや健康被害を引き起こすことがあります。
外壁のコケを放っておくとどうなる?
外壁に発生したコケを放置しておくと下記の問題が発生します。
問題の種類 | 説明 |
外観の悪化 | コケが増殖すると外壁の見た目が悪くなり、建物全体の美観が損なわれます。 |
劣化の進行 | コケが外壁に浸透し建材の劣化を早めます。特に湿気を吸いやすい外壁材では、コケが原因でひび割れや破損が進行することがあります。 |
断熱性能の低下 | コケが建材の表面に付着することで、外壁の断熱性能が低下し、室内の温度調整が難しくなることがあります。 |
健康被害のリスク | コケが発生すると、カビも同時に発生しやすくなり、アレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こすリスクが高まります。 |
修繕費用の増加 | コケによる劣化が進むと、外壁の修繕や再塗装が必要となり、結果として高額な修繕費用が発生することになります。 |
コケは吸湿性が高く、水分を蓄えやすい特徴があります。湿気や水分は素材の劣化やカビ、腐敗の原因となります。
外壁のコケを落とす方法
外壁のコケを落とす場合、自分で落とす方法と業者に頼む方法が考えられます。
自分で掃除できるコケと、業者に依頼すべきコケの見極め方について解説します。
自分で外壁のコケを落とす方法
自分で掃除できるコケは、コケの量が少なく、根付きが浅い場合です。
また、コケの場所が自分で届く範囲であることも条件です。
高所での作業になると危険を伴いますので、無理せずに業者に頼む方がよいでしょう。
自分でコケを掃除する方法
コケを清掃することで、コケの根や胞子を洗い流し、コケの再発生を予防することに繋がります。
必要な道具:コケ取りスプレー、柔らかめのブラシ、家庭用高圧洗浄機、家庭用外壁洗浄剤、ゴム手袋、保護メガネ
コケ取りスプレーを使う方法
- ゴム手袋と保護メガネを着用します。
- コケの部分にコケ取りスプレーを均等に吹きかけます。
- 説明書に記載された時間、スプレーがコケに浸透するのを待ちます。
- 柔らかめのブラシでコケを優しく擦り落とします。
- 水でしっかりと洗い流し、コケの根や胞子を取り除きます。
家庭用高圧洗浄機を使う方法
- ゴム手袋と保護メガネを着用します。
- 高圧洗浄機の設定を低圧に調整します。
- 高圧洗浄機を使ってコケを洗い流します。外壁を傷つけないように距離を保ち、優しく当てます。
- コケが完全に除去されるまで、必要に応じて繰り返します。
家庭用外壁洗浄剤を使う方法
- ゴム手袋と保護メガネを着用します。
- 洗浄剤を説明書に従って水で希釈します。
- 洗浄剤をコケに塗布し、一定時間放置します。
- 柔らかめのブラシでコケを優しく擦り落とします。
- 水でしっかりと洗い流し、コケの根や胞子を取り除きます。
業者に頼んで外壁のコケを落とす方法
コケの量が多い場合や、コケが深く根付いている場合は、自分で除去するのは難しいです。
また、高所作業が必要な場合は、安全に作業を行うために、業者に依頼することをおすすめします。
業者に依頼する場合の除去方法
高圧洗浄
業者が専用の高圧洗浄機を使って水を強力に噴射し、外壁の汚れやコケを取り除く方法です。この方法は、短時間で効果的にコケを除去することができます。
特徴:
高圧の水流が汚れやコケを強力に洗い流します。
広範囲の洗浄が短時間で可能です。
高圧のため、外壁材にダメージを与える可能性もありますが、業者は適切な圧力に調整して行います。
バイオ洗浄
バイオ洗浄剤を使用してコケやカビを分解し、取り除く方法です。バイオ洗浄剤は微生物の働きを利用し、環境に優しい洗浄方法です。
特徴:
化学薬品を使わないで、自然由来の成分でコケを除去します。
外壁材にダメージを与えにくく、長期間の効果が期待できます。
バイオ洗浄剤の浸透時間が必要なため、高圧洗浄に比べて時間がかかります。
業務用クリーナー
プロが使用する専用のクリーニング剤を使って外壁のコケや汚れを取り除く方法です。洗浄剤は外壁の種類や状態に合わせて選ばれます。
特徴:
専用の洗浄剤が深く根付いたコケや汚れを効果的に除去します。
外壁の材質や汚れの状態に応じて適切なクリーナーを選択できます。
正しい使用方法を知らないと、外壁材にダメージを与えることがあります。業者が適切に使用します。
外壁のコケを予防する方法
最後に、外壁のコケを予防する方法について解説します。
以下の4つのポイントを押さえることで、外壁のコケ予防ができます。
- 日光を当たりやすくする
- 風通しをよくする
- コケ予防効果のある外壁塗料を選ぶ
- 定期的に掃除をする
1つずつみていきましょう。
日光を当たりやすくする
コケは日光が当たらない場所に生えやすいため、外壁に直接日光が当たるようにすることがコケ予防に繋がります。
外壁近くに植える植物を減らすことで、外壁への日当たりを改善できることもあります。
風通しをよくする
コケを予防するためには、風通しのよさも大切です。
外壁付近のものを整理したり、外壁にくっつけて設置している倉庫などの位置を外壁から離したりすることで、風通しを改善できます。
コケ予防効果のある外壁塗料を選ぶ
コケ予防効果のある外壁塗料を選ぶことで、コケを生えにくくすることもできます。
塗料の種類 | 特徴 | 効果 | 使用場所の推奨 | コケ取りスプレーとの併用 |
防藻・防カビ塗料 | コケやカビの発生を抑える成分が含まれている | コケやカビの発生を防ぐ | 北側の外壁や日陰の多い場所 | 効果をさらに高めるために定期的に使用 |
親水性塗料 | 雨水で汚れを自然に洗い流す | 外壁の美観を長期間保つ | どの方角の外壁にも適用可能 | 特に必要なし |
フッ素系塗料 | 耐候性に優れている | 長期間コケやカビの発生を防ぐ | メンテナンスを減らしたい場合に最適 | 必要に応じて使用 |
シリコン系塗料 | コストパフォーマンスに優れている | 耐候性と防汚性を兼ね備えている | 一般的な住宅の外壁 | 必要に応じて使用 |
光触媒塗料 | 紫外線で汚れやコケを分解 | 外壁の清潔さを長期間維持 | 特に南側や日当たりの良い場所 | 効果をさらに高めるために定期的に使用 |
塗料でコケの発生を予防することができます。しかし、完全にコケの発生を防ぐことはできません。日々のお手入れの中にコケ取りスプレーを使うことは効果的です。
定期的に掃除をする
上記のようなコケの予防策を取っていても、環境によってはコケが生えやすい場合もあることでしょう。
その場合は、コケが酷くならないうちに、定期的に掃除をすることが大切です。
定期的に掃除ができると、外壁をある程度の状態にキープすることができます。
業者に入ってもらわなければいけない頻度も減ることになるので、経済的でもあります。