「戸建ての外壁について考えているのだけれど、漆喰外壁ってどうなの?」
「漆喰外壁のメリットとデメリットが知りたい!」
この記事では、このような疑問や悩みを解決できる内容になっています。
最後までこの記事を読んでいただけると、
・漆喰外壁の特徴
・漆喰外壁の費用相場
・漆喰外壁のメリット、デメリット
が理解できます。
初心者の方にもわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
漆喰外壁の特徴
漆喰外壁は、日本建築において伝統的な素材として知られています。
漆喰は、左官職人による手作業の左官仕上げが特徴で、しっくいの白い色合いが住宅に独特の風合いと高級感を与えます。
さらに、漆喰は耐火性や耐久性が高く、通気性にも優れているため、建物の内部環境を快適に保ちます。ただし、漆喰の施工は技術が必要です。
漆喰とは
漆喰とは、古くから建物に使われている壁材の一種です。
お寺やお城、古民家などの外壁は、漆喰が主流でした。
漆喰の材料は、石灰を主成分とする自然素材です。
海外から伝わったとされる漆喰ですが、海外の漆喰と日本の漆喰とは混ぜ合わせる素材や塗り方が異なります。和漆喰は石灰と麻スサを使い、湿気調整が優れた伝統的な素材です。西洋漆喰は石灰と砂を混ぜ、耐久性が高く硬化が速いです。
古くから外壁に使用されてきましたが、現在では他の外壁材の選択肢が増えてきたため、一般の戸建てに漆喰外壁が選ばれることは少なくなっています。
漆喰外壁の種類
漆喰は、様々なメーカーが製造していますが、ここでは6種類の漆喰について特徴をまとめています。
漆喰の種類 | 特徴 |
本漆喰 | 日本伝統の漆喰。石灰に麻スサを混ぜて作り、調湿効果が高い。 |
琉球漆喰 | 沖縄で使われる漆喰。サンゴ石灰が主原料で、防水性に優れ、独特の白色が特徴。 |
西洋漆喰 | 石灰と砂を混ぜて作られる。耐久性が高く、硬化が速い。ヨーロッパで多用される。 |
既調合漆喰 | 調合済みで手軽に使用できる。DIYに適しているが、本漆喰に比べて風合いが異なる。 |
土佐漆喰 | 高知県で使用される。防虫効果があり、独特の風合いが特徴。 |
スイス漆喰 | アルプス地域で使用される。石灰に高い純度があり、防火性や耐久性が高い。 |
漆喰外壁の色味
漆喰外壁の色味は、その美しい白色が基本となっています。これは、漆喰の主成分である消石灰が自然と白色を帯びるためです。
白色は、日本建築の伝統的な美しさを引き立て、清潔感を感じさせます。また、白色は熱を反射しやすく、建物の温度を一定に保つ効果もあります。
一方、最近では色漆喰(カラー漆喰)も人気です。色漆喰は、顔料を混ぜることで様々な色を表現できます。これにより、伝統的な風合いを保ちながら、モダンなデザインや個性的な外観を実現することができるようになりました。
漆喰外壁の塗り替え頻度
一般的には、10年から20年程度を目安に塗り替えが必要になる場合があります。
また、塗り替えとは別に、定期的な清掃を行う必要があります。
漆喰外壁のメリット
漆喰外壁の特徴について、詳しくみてきました。
ここからは、漆喰外壁のメリットについてまとめていきます。
耐用年数の長さ
漆喰外壁の耐久年数は、数十年から100年以上ともいわれています。
この耐久年数の長さが最大のメリットです。
ただし、それだけもたせるには定期的な正しいメンテナンスが必要となります。
天然素材
漆喰は天然素材であり、化学物質を含まないためシックハウス症候群のリスクを軽減できます。
消石灰が主成分の漆喰は、自然な調湿効果も持ち、快適な室内環境を保つのに役立ちます。
調湿効果
漆喰の表面には多孔質構造と呼ばれる細かな穴が無数に空いています。この多孔質素材は、水分を吸着・発散する性質を持つため、湿度を適切に保つ効果があります。
湿度の高い夏には余分な湿気を吸収し、乾燥した冬には湿気を放出することで、室内環境を快適に保つ調湿効果があります。
消臭効果・防カビ性
漆喰は多孔質な構造を持ち、水蒸気とともに臭いを吸収・放出することで嫌な臭いを消す効果があります。また、漆喰は強アルカリ性なので、酸性タイプの臭いを中和し、消臭効果があります。この強アルカリ性により、カビの発生を抑える防カビ性も持っています。
消臭と防カビの両方の効果があるため、快適な住環境を維持しやすくなります。
高いデザイン性と楽しめる経年変化
漆喰外壁は、独特の質感と温かみのある雰囲気を持ち、その高いデザイン性が魅力です。
手作業で仕上げるため、職人の技術によってオリジナルの風合いを出すことができます。また、経年変化により色味や風合いが変わり、時間とともに深みのある味わいが増していきます。
このような自然な変化を楽しむことができるため、漆喰外壁は長く愛される外壁素材として人気があります。
漆喰外壁のデメリット
漆喰外壁のメリットをみてきましたが、メリットがあればデメリットもあります。
漆喰外壁の費用が高い
漆喰外壁の費用は、他の外壁材と比べて高額になることが一般的です。
これは、施工に時間がかかり、熟練した左官職人が必要なためです。また、漆喰塗装ができる業者も限られているため、選択肢が少なくなることもデメリットです。
漆喰はひび割れが起きやすい
漆喰外壁は、比較的ひび割れが起こりやすい外壁です。
しかし、現在では適切な処理を行うことで、ひび割れのリスクを減らすことができるようになっています。
自分でも定期的な漆喰外壁の清掃が必要
漆喰外壁は、表面に凹凸があるため、汚れがつきやすいという特徴があります。
汚れがついたまま放っておくと、深くまで汚れが浸透してしまい、取り除くことが難しくなることもあります。
よって、塗り替えとは別に、普段から定期的な清掃が必要になります。
他の外壁よりも手間がかかるため、デメリットと感じる人も多いでしょう。
漆喰外壁の費用相場
漆喰外壁の費用相場は、一般的には、1平方メートルあたり6,000円~7,000円程度の費用が必要になるとされています。
ただし、建物の形状や施工条件によっては、費用が上下することがあります。
他の塗装方法と比べるとかなり高額な塗装となることに注意が必要です。
漆喰外壁を綺麗に保つメンテナンス方法
漆喰外壁を長く美しく保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
汚れや劣化の度合いに応じた適切なメンテナンス方法を紹介します。
汚れの度合い | メンテナンス方法 | メンテナンス費用 |
軽度の汚れ | 柔らかいブラシや水を使って優しく洗浄 | 無料~数千円 |
中度の汚れ | 中性洗剤を使用し、柔らかいスポンジでこする | 数千円~数万円 |
重度の汚れ | 専門業者による高圧洗浄や再塗装 | 数万円~数十万円 |
漆喰外壁についた軽い汚れやカビ
漆喰外壁についた軽い汚れは、消しゴムで簡単に落とせます。もし消しゴムで落ちない場合、メラミンスポンジで軽くこすればカビも除去できます。
これらの方法を使うと、漆喰の美しい外観を長く保つことができます。
漆喰外壁のひび割れ
漆喰外壁はひび割れしやすい特徴があります。ひび割れや傷が発生した場合、その部分だけを上から漆喰で補修することができます。
定期的にチェックを行い、早めに補修することで、美しい外観を維持できます。
漆喰外壁の剥離
漆喰外壁は、長期間の使用で剥離が生じることがあります。剥がれてきた場合、基本的に塗り替えが必要です。
下地撤去からの塗り替えは、単純な塗り重ねよりも施工期間が長くなりがちです。
定期的なチェックで早めに劣化を発見し、対処することが大切です。