「屋根の塗装の相場ってどのくらいなんだろうか?」
「私の家の屋根塗装のリフォームはどのくらいかかるのだろうか?」
この記事では、そのような悩みや疑問を解決できる内容になっています。
最後まで記事を読んでいただきますと、
・屋根塗装の屋根材と塗料の違いによる相場
・塗装面積の大まかな計算方法
・屋根塗装の費用を抑えるコツ
が理解できるようになっています。
屋根の塗装リフォームを考えている方は、一度自分の建物にあわせて、大まかに費用を計算してみるとよいでしょう。
目次
屋根塗装の相場
屋根塗装の相場は、塗料の種類と屋根の種類、塗装面積によって変わってきます。
例えば、一般的な屋根塗装の面積(50㎡~70㎡)の場合、40万円~となっています。しかし、屋根の状態、使用する塗料によって費用は変わってきますので、目安の価格として知っておくと塗装業者に見積もりを依頼したときに相場に対して高いか、安いかを把握することができます。
それぞれの相場について詳しく解説していきます。
屋根塗装の塗料別相場と耐久年数
まずは、塗料の種類による相場の違いについて解説します。
屋根塗装に広く使われている塗料には、
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- フッ素塗料
の3つがあります。
それぞれ耐久年数が異なっており、耐久年数が長いほど値段が高くなっていきます。
塗料の種類による耐久年数と相場を、以下の表にまとめていますので、参考にしてみてください。
塗料の種類 | 耐久年数 | 相場(1平方メートルあたり) |
ウレタン塗料 | 8年程度 | 1,500円から2000円 |
シリコン塗料 | 10年から15年 | 1,800円から2,500円 |
フッ素塗料 | 15年から20年 | 3,300円から4,500円 |
塗料の種類による相場はこのようになっていますが、屋根塗装の相場は「屋根材の種類」によっても変動します。
屋根の種類による相場
屋根の種類も相場に影響を与えます。
現在の建物でよく使われている、
- スレート屋根
- セメント瓦
- トタン屋根
の違いによってどのくらい相場が変化するのかをみていきましょう。
塗料の種類との組み合わせで相場を計算していますので、相場把握の参考になるはずです。
スレート屋根
スレート屋根は、セメントを主成分とした約5mm程度の厚さでフラットな形状が特徴の屋根材です。最近の戸建住宅で広く利用されているため、誰もが見たことのある馴染みの深い屋根材になります。
スレート屋根の塗料の違いによる相場は、以下の表の通りです。
塗料の種類 | 相場(1平方メートルあたり) |
ウレタン塗料 | 1,800円/㎡前後 |
シリコン塗料 | 2,200円/㎡程度 |
フッ素塗料 | 3,900円/㎡程度 |
セメント瓦
セメント瓦は、セメントと川砂を混ぜて作られた屋根瓦です。安価な価格で製造しやすかったため、住宅不足だった高度経済成長期で広く普及されていました。瓦屋根の1種ですが防水機能はないため、定期的な塗装が必要です。
セメント瓦の塗料の違いによる相場は、以下の通りです。
塗料の種類 | 相場(1平方メートルあたり) |
ウレタン塗料 | 1,800円/㎡程度 |
シリコン塗料 | 2,400円/㎡程度 |
フッ素塗料 | 3,300円/㎡程度 |
トタン屋根
トタン屋根は、薄い合板に亜鉛メッキを施した板状の屋根材です。古い住宅の多くに、この屋根材が使われている場合があります。 設置方法は雨水が流れやすい縦葺きのため、雨漏りのリスクは少なくなります。ただし、内部は鉄であるため錆びやすく、定期的に塗装し直す必要があります。
トタン屋根の塗料の違いによる相場は、以下の通りです。
塗料の種類 | 相場(1平方メートルあたり) |
ウレタン塗料 | 1,800円/㎡程度 |
シリコン塗料 | 2,200円/㎡程度 |
フッ素塗料 | 3,900円/㎡程度 |
塗装面積の大まかな計算方法
建物の屋根塗装の相場を把握するには、塗装面積を計算する必要があります。屋根の面積を計算する3つの方法を紹介します。
坪数を使用して計算する方法
建物の坪数に3.31を掛けることで大まかに計算できます。
例えば、40坪の建物の場合、「40坪×3.31=132.4㎡」となります。スレート屋根でシリコン塗料を使用する場合は、「132.4㎡×2,200円/㎡=264,800円」が概算となります。
メジャーなどで計測する方法
メジャーを使って外壁の外周を測り、それに対して軒先(外壁から出ている屋根部分)の長さ分を足して大まかに計算できます。
例えば、軒先0.6mのとき、外周の南北側の外壁の長さが10mの場合10.6m×2面=93.2㎡、東西側の外壁の長さが8mの場合8.6m×2面=17.2㎡となり屋根のおおよその面積は110.4㎡、スレート屋根でシリコン塗料を使用する場合は、「110.4㎡×2,200円/㎡=242,880円」が概算となります。
図面から計算する方法
建物の図面が手元にある場合、図面には寸法の記載がありますので屋根面積を計算することができます。もし、軒先部分の長さが記載されていない場合、軒先の長さ分だけ足してあげる必要があります。ミリ単位で記載されていますので、より正確な面積を計算することができます。
例えば、スレート屋根でシリコン塗料を使用する場合は、「図面から屋根の長さをすべて足した長さ×2,200円/㎡」で計算することができます。
屋根塗装の費用が変動する要素
工事代(人件費)
塗料や材料費だけでなく、さまざまな工事代(人件費)が発生します。主な工事代の項目とその相場について説明します。
工事項目 | 説明 | 相場(1㎡あたり) |
高圧洗浄 | 塗装前に屋根の汚れやコケを取り除く作業 | 300円~500円 |
養生 | 塗装時に周囲の建物や設備を保護する作業 | 200円~400円 |
現場管理費 | 現場の管理や安全確保のための費用 | 全体工事費の5%~10% |
廃材処理費 | 塗装作業後に発生する廃材やゴミの処理費用 | 100円~300円 |
足場代
安全かつ効率的に作業を進めるために足場を設置する必要があり、足場代の概算の求め方を紹介します。
足場代の相場は、1㎡700円~1,000円程度です。
足場架面積の計算は、足場架面積=建物の周囲の長さ×高さで求めることができます。
例えば、建物の周囲が40m、高さが10mの場合、足場架面積は「40m × 10m=400㎡」、足場代の相場を700円/㎡としたとき「400㎡×700円= 280,000円」となります。
足場には飛散防止ネットを設置することが一般的です。このネットは、塗料やその他の物が周囲に飛散するのを防ぐ役割を果たします。飛散防止ネットの費用も足場代に含まれることが多いです。
足場代無料や足場代込と宣伝している業者もありますが、そのような業者には注意が必要です。他の費用に足場代を上乗せしている可能性があります。契約前に詳細な見積もりを確認し、総費用がどのように構成されているかを確認しましょう。
屋根の傾斜が強い場合は、塗装費用が高くなる
屋根の傾斜が強い場合は、塗装費用が高くなることがあります。
これは単純に屋根の面積が広くなるからという理由に加え、追加の足場などが必要になることがあるからです。
屋根の塗り替えのタイミング
屋根の塗り替えのタイミングは、塗料の劣化具合やひび割れの有無、色褪せなどから判断します。判断基準は以下の表を参考にしてください。
判断基準 | 説明 |
屋根材のズレやひび割れ | 屋根材のズレ、ひび割れが見られる場合、塗料の劣化が進んでいるサインです。これらの問題が放置されると、雨漏りなどの深刻な被害に繋がる可能性があります。定期的に屋根の状態をチェックし、早めに対処しましょう。 |
雨漏りの兆候 | 屋根からの雨漏りが発生している場合、塗料の防水機能が失われている可能性があります。雨漏りは建物内部に大きなダメージを与えるため、早急に塗り替えを検討する必要があります。 |
色あせ | 屋根の色あせは、塗料の紫外線や風雨による劣化を示しています。色あせが進行すると、塗料の保護機能が低下し、屋根材が直接ダメージを受けやすくなります。色あせが目立つようになったら塗り替えを考えましょう。 |
塗料の耐久年数 | 塗料にはそれぞれ耐久年数があります。ウレタン塗料なら約8年、シリコン塗料なら約10〜15年、フッ素塗料なら約15〜20年が一般的な耐久年数です。これを目安に、定期的な塗り替えを計画しましょう。 |
目視での観察によって塗り替えのタイミングを判断しましょう。
コスト削減について
屋根を塗装する費用は高いため、日頃からのメンテナンスが大切です。とは言え、なるべくなら安く済ませたいと思う人も多いと思います。屋根塗装の費用を安くするためのコツを3つ紹介します。
屋根と外壁を一緒に塗装する
屋根塗装を行う際に、外壁の塗装も同時に行うことで、全体のコストを削減することができます。別々に塗装を行うよりも、足場代や施工期間を短縮することができます。また、一度に塗装することで塗り面積が広くなるため、費用も抑えられることが多いです。
住宅リフォーム支援制度を活用
塗装費用の一部を補助金や助成金で賄うことができます。各自治体が提供しているリフォーム支援制度や、省エネリフォームに対する国の助成金などを調べて、該当するものがあれば積極的に利用しましょう。申請には条件があるため、事前に確認が必要です。
火災保険を確認する
屋根の損傷が台風や火災などの自然災害によるものであれば、火災保険を活用して修理費用をカバーすることができます。保険会社に確認し、適用条件を満たしている場合は、保険金を請求して塗装費用を削減することができます。保険を活用する際は、事前に必要な書類や手続きについて確認しておきましょう。