外壁塗装の塗料の種類と特徴

塗料には、たくさんの種類があります。用途や施工面の条件に応じて様々な種類があります。これは、塗料が持つ性質や機能が異なるためです。耐久性や耐候性、施工する場所や環境によっても異なる場合があります。塗料には用途や条件に応じて、様々な種類があるということです。そのため、塗装をする前に、用途や条件を考慮して適切な種類の塗料を選ぶことが重要です。

外壁塗装に使用される塗料の種類

外壁塗装に使われる塗料には、それぞれ特徴が異なるため、建物の性質や使用目的、予算などに合わせて選択する必要があります。また、外壁塗装は定期的に行う必要がありますので、塗料の種類や塗り替えのタイミングも重要です。

【耐用年数を見る際の注意点】

塗料の耐用年数は、製造メーカーによって異なり、また使用環境や塗布方法によっても変わります。目安として記載していますが、耐用年数の範囲まで持つようにする、または耐用年数以上に長持ちするようにしたいと思うのは当然のことと思います。その場合、

  • あなたの環境にあった塗料を選ぶ
  • 正しい塗料の塗布方法で塗る
  • 塗料の特徴と耐用年数を把握する

外壁にひび割れや塗膜の剥離などが問題になった場合は、早めに修復することで、耐用年数を延ばすことができます。

【塗料の5つの役割】

防水性
塗料は外部からの水分を防ぐ役割があります。外壁が水を吸収すると、カビや藻の発生原因となるばかりか、外壁自体が劣化してしまうため、塗料には防水性が求められます。

保護性
外壁は日差し、風、雨、雪などの自然条件にさらされ劣化していきます。塗料は、様々な天候から外壁を保護し、寿命を延ばすための役割があります。

見た目の美観
外壁は建物全体を代表する重要な要素の一つです。塗料は、外壁の色合いや質感を調整し、美しい外観を添えるための役割があります。

断熱性
外壁に塗る塗料には、断熱性能を持ったものもあります。

耐久性
塗料は、劣化や腐食、摩耗、紫外線などに耐え、長期にわたって機能するための耐久性が求められます。

アクリル塗料の特徴

塗料の中でも一番安価で施工しやすいのが特徴です。他の塗料の中でも一番耐用年数が短いため、今では一般住宅の家(戸建て)の塗り替えに使われなくなってきています。コストが安いですが、耐用年数が短いため塗り替え時期が早く来るため、足場代や施工費などで累計費用で高くなります。

耐用年数施工価格㎡
4~8年程度1,000~1,700円

ウレタン塗料の特徴

防水性が高いウレタン塗料は、密着性が高く、防水性に優れているため、水や湿気が侵入するのを防ぐことができます。このため、屋根塗装やバルコニーや床の防水塗装にもされています。耐久性・低汚染性・防藻・防カビ性に優れ、美しい仕上がりを保つことができます。

耐用年数施工価格㎡
6~10年程度1,700~2,500円

シリコン塗料の特徴

耐用年数とコストバランスが良いため、多くのハウスメーカーや塗装専門業者が使用しています。塗料メーカーの種類も豊富でコストに優れた塗料です。防水性や耐久性、自浄作用などが優れており、色褪せが少なく、施工性も良いため、外壁や屋根に使用することが多く、特に、雨風による劣化やカビ、コケの発生の対策ができます。

耐用年数施工価格㎡
8~15年程度2,400~3,500円

フッ素塗料の特徴

フッ素樹脂を主成分とした高性能な塗料で、耐候性や耐摩耗性、耐薬品性、耐久性などの性能に優れています。外壁塗装の塗料の中でも紫外線や酸性雨、塩害などの外部からの影響に対して非常に耐性があり、色あせや劣化が起こりにくいため、屋外での使用に適しています。このため、建物の外壁や屋根、サッシなどの塗装に使用されます。

特に、表面に撥水性があるため、汚れがつきにくく、水をはじいて滑りにくいため、建物の外壁や屋根に使用することで、雨水による汚れを防ぎ、美観を維持することができます。

耐用年数施工価格㎡
12~20年程度3,500~4,900円

ラジカル塗料の特徴

ラジカル塗料は、光や触媒などの外部からの刺激によって、化学反応を起こして硬化する塗料のことを指します。ラジカル反応を利用した塗料であり、光や熱、触媒の作用によって、塗膜を形成します。有機溶剤を使わないため、環境に優しいとされています。

ラジカル塗料は硬化が速く、耐久性や耐候性に優れていることが特徴です。硬化が速いため、塗装後すぐに使用できるという利点があります。ただし、作業中に液状の塗料が固化することがあるため、塗り方に慣れない場合はムラやはげが発生することがある点にも注意が必要です。

比較的新しい塗料で、各塗料メーカーが新製品を揃えています。

耐用年数施工価格㎡
10~15年程度2,500~4,000円

セラミック塗料の特徴

セラミック微粒子を主成分として使用した塗料です。セラミック微粒子は、高温で焼成された陶器やガラスなどの微細な粒子で、非常に硬く、耐熱性や耐腐食性に優れています。その硬さや耐久性、耐腐食性により、車両や船舶などの防食塗装に使用されることが多いです。また、断熱性に優れているため、建築物の外壁塗装にも使用されます。

  • 耐久性に優れており、塗膜が剥がれにくく、長期間にわたって美しい仕上がりを維持することができます。
  • 耐腐食性に優れており、酸やアルカリに強く、腐食から素材を保護することができます。
  • 断熱性に優れており、夏場の高温や冬場の低温を防ぐことができます。
  • 防汚性に優れており、汚れがつきにくく、汚れを落としやすいという特徴があります。
  • 高い耐候性を持っているため、紫外線に強く、色あせしにくいという特徴があります。

その高い耐久性や耐腐食性、断熱性などの性能により、長期間にわたってメンテナンスが不要になる場合があるため、コストパフォーマンスが良いとされています。

耐用年数施工価格㎡
10~25年程度2,500~5,000円

光触媒塗料の特徴

光触媒とは、紫外線などの光の刺激を受けることで、付着した有機物を酸化分解し、無害な水や二酸化炭素に分解することができる特性を持つ物質です。

光触媒塗料の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 空気中の有害物質や臭いを分解する効果があり、空気中の清浄化に貢献することができます。
  • 付着した汚れやカビ、菌などを分解する効果があり、汚れがつきにくく、清潔な状態を保つことができます。
  • 光触媒の反応によって発生する水分が表面を覆い、表面の乾燥を促すことで、汚れやカビの発生を防ぐ効果があります。
  • 防汚性や防カビ性に優れており、長期間にわたって美しい仕上がりを維持することができます。

また、光触媒塗料は、室内用の壁面塗料や、外壁塗装、屋根塗装など様々な用途に使用されています。ただし、光触媒塗料は光の照射が必要なため、屋内の場合は人工光源が必要となることがあります。塗料の価格が高いためコスト的な面での検討が必要です。

耐用年数施工価格㎡
10~20年程度3,500~5,500円

無機塗料の特徴

塗料の中でも、有機化合物を含まない、主に無機鉱物を原料として作られた塗料です。無機塗料にはいくつかの種類があります。

  • シリケート塗料:ガラス質の原料を主成分としており、耐久性や耐候性に優れ、美しい光沢感があることが特徴です。ただし、施工が難しく、コストが高いという欠点があります。
  • 酸化チタン塗料:酸化チタンを主成分としており、紫外線を反射する効果があるため、太陽光線による塗膜の劣化を防ぐことができます。また、汚れがつきにくく、清潔な状態を保ちやすいことが特徴です。
  • ケイ酸塗料:ケイ酸を主成分としており、防水性や防汚性に優れています。また、耐久性や耐候性も高く、建物の外壁や屋根に使用されることが多いです。

発色が良く、色あせしにくいという特徴があります。また、防火性能に優れており、火災による被害を抑えることができます。ただし、塗料に硬さがあり、施工が難しい場合があるため、専門知識を持った職人が施工することが必要です。

耐用年数施工価格㎡
15~25年程度4,000~5,500円

ナノテクノロジー塗料の特徴

塗料の中でもナノテクノロジーを応用して作られた塗料のことを指します。ナノテクノロジーは、微小な粒子(ナノ粒子)を制御する技術であり、塗料に応用することで、従来の塗料に比べて高い機能性を発揮します。

ナノテクノロジー塗料には、以下のような特徴があります。

  • 超撥水性:ナノ粒子が塗膜表面に密着することで、水分や汚れが弾きやすくなり、清潔な状態を保ちやすくなります。
  • 防カビ性:ナノ粒子が微生物の繁殖を防止するため、カビや菌の発生を抑えることができます。
  • 防汚性:ナノ粒子が細かな凸凹をつくることで、汚れが付きにくくなります。
  • 防錆性:ナノ粒子が金属表面に密着することで、酸化や腐食を防ぐことができます。
  • 施工性:ナノテクノロジーの発展により、従来の塗料に比べて施工性が向上しています。

ただし、ナノテクノロジー塗料は、従来の塗料に比べて高価であり、施工には専門知識が必要となるため、施工業者によっては取り扱っていない場合もあります。

耐用年数施工価格㎡
10~15年程度2,500~5,500円

塗料には水性塗料と油性塗料がある

環境への配慮や健康面の観点から、水性塗料がより一般的になっています。外壁塗装でも、水性塗料を採用するケースが増えており、耐久性や色落ちにも優れています。ただし、使用状況や条件によっては油性塗料を使用する場合もあります。塗料の種類や選択は、塗装業者や施工担当者と相談し、最適な選択をすることが重要です。

水性塗料は、水を基材としているため、臭いや有害物質が少なく、環境に優しい塗料です。また、乾燥が早く、乾燥後の表面が弾力性があるため、クラック(ひび割れ)の発生が抑制される傾向があります。ただし、塗装面に対する密着力や耐久性には、油性塗料より劣る場合があります。

油性塗料は、油や溶剤を基材としているため、塗りやすく密着性が高く、耐久性にも優れています。ただし、揮発性有機化合物(VOC)を含み、臭いや有害物質が多く、環境や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

水性塗料と油性塗料にはそれぞれ特徴があり、用途や環境、施工条件などによって、最適な塗料を選ぶことが重要ですが、環境問題から水性塗料が多く使われています。

また、水性塗料と油性塗料の特性を合わせた新しい塗料のことをハイブリッド塗料と言います。ハイブリッド塗料は、一般的に木材、金属、プラスチックなどの多様な材料に使用されており、屋内外の様々な場所で利用されています。ただし、ハイブリッド塗料には水性塗​​料と比較してコストが高くなります。

塗料には1液型と2液型がある

1液型塗料は、塗る前に特別な準備や混合が必要なく、そのまま使うことができます。乾燥すると化学反応によって硬化します。1液型塗料は、使用が容易で塗りやすいため、DIY用や小規模な塗装工事に適しています。

2液型塗料は、主剤と硬化剤を混合することで、塗料が化学反応を起こし硬化する塗料です。より高い耐久性や耐候性があり、使用目的や施工条件によって必要な場合があります。2液型塗料は混合した後の使用期限が短く、適切な条件下で保存する必要があります。

住宅の外壁の塗り替えでは、一般的に1液型の塗料が使われることが多いです。これは、1液型の塗料が扱いが容易で、混合や特別な準備が必要ないため、施工が簡単だからです。塗料メーカーも1液型の種類が増えています。また、1液型の塗料にも耐久性や耐候性も高いもの開発され十分な塗膜性能が得られるようになり、1液型が多く使われています。

目的別に塗料を選ぶ

外壁の保護機能を強化して長持ちさせたい

外壁を長持ちさせるためには、耐久性や防汚性、耐候性などを守る機能が必要です。上記で紹介した塗料の中でおすすめの塗料を3つ紹介します。

【シリコン樹脂塗料】
シリコン樹脂塗料は、耐久性、耐候性、防水性、耐汚染性に優れています。また、高い撥水性を持ち、汚れやカビの付着を防止する効果があります。

【フッ素樹脂塗料】
フッ素樹脂塗料は、耐久性、耐候性、耐熱性、防汚性に優れています。また、紫外線による劣化を抑える効果があり、色褪せしにくいのも特徴です。

【セラミック塗料】
セラミック塗料は、表面の硬度が高く、耐久性や耐候性に優れています。また、熱反射率が高く、夏場の高温を防ぐ効果があります。

外壁の美観を長持ちさせたい

外壁の美観機能に重点を置く場合には、光触媒塗料やセラミック塗料、シリコン樹脂塗料がおすすめです。光触媒浄化塗料は、有害物質を分解する効果があるため、健康的な住環境を整えることもできます。保護機能にはやや劣る場合があるため、その点は注意が必要です。

外壁の塗り替え期間をより長くしたい

外壁の塗り替え期間をより長くするためには、耐久性が高く、変色・変質しにくい塗料がおすすめです。フッ素塗料やシリコン塗料などは、強く、色褪せや劣化を抑える効果があります。また、耐汚染性が高く、汚れがつきにくいため、美観機能もキレイに保てます。ただし、その分価格が高くなるため、予算の余裕がある場合に選ぶと良いです。

希望の塗料メーカーがある場合

依頼する専門業者によっては、取り扱える塗料メーカーが違う場合があります。希望の塗料メーカーがあるときは事前に取り扱いがあるか確認しておきましょう。

日本ペイントや関西ペイント・エスケー化研など大手メーカーは、ブランド力や実績があり、品質管理がしっかりしているため、安心して利用できます。地域に密着した販売網を持っているため多くの専門業者で取り扱いがあります。

ガイナなど取り扱いの少ない塗料メーカーの場合、施工技術が必要だったりするため認定店しか施工できない場合があります。ただ、耐用年数が長いことを売りにしている塗料でも、本当にその期間の耐用年数があるかどうかは分からないことが多いです。

塗料メーカーを選ぶ際には、自分の希望や条件に合ったメーカーを選ぶことが大切です。また、信頼できる業者から提案してもらうことも必要です。

塗料メーカーの知名度と塗料の性能

塗料メーカーの知名度と塗料の性能には一定の関係性があります。知名度が高いメーカーは長年研究開発を行っており、品質の高い塗料を開発している傾向があります。一方、知名度の低いメーカーでも、独自の技術を持っていて優れた塗料を提供していることもあります。

ただし、知名度の高いメーカーはブランド力があり、信頼性や安心感があり、広い地域に支店や営業所を持っているため、アフターサービスにも力を入れており、トラブルが起きた場合にも迅速に対応してくれることが期待できます。

そのため、外壁塗装の際には、知名度の高いメーカーから選ぶことで、品質やアフターサービス面での安心感が高いです。

施主と塗料メーカーが直接やり取りすることはほとんどありませんが、塗料メーカーがしっかりしていることは専門業者とアフターフォローに影響がありますので気にしておくといいです。

塗装業者を選ぶときのポイント

塗り替えするときに塗料を選ぶポイントとして4つのポイントを抑えておきましょう。

  1. 施工業者の信頼性
    信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。過去の実績や評判を確認し、見積もり内容や工事の流れなど、詳細な説明を受けることが大切です。
  2. 見積もりの​​詳細確認
    見積もりに含まれる作業内容や使用する塗料、費用の内訳などの詳細を確認しましょう。また、追加工事が発生した場合の費用や作業内容についても確認しておくことが大切です。
  3. 塗料の品質
    塗料の種類や品質については、各種の特性や価格を比較検討することが必要です。使用される塗料の性能によって、耐久性や色落ちのしにくさ、汚れ落ちのしやすさなどが変わるため、自分の希望に合った塗料を選ぶことが大切です。
  4. 施工期間と工法
    工期や作業日、施工開始日などのスケジュールを確認しておくことが重要です。特に、雨天時の対応や工事進捗状況の報告など、細かな調整かなが必要になる場合があるそのため、事前に確認しておくことが必要です。
  5. 施工保証の確認
    施工後のサポートや保証期間について、十分な説明を受けておくことが重要です。また、施工中に発生するトラブルや事故に備えて、保険に加入しているかどうかも確認してみましょう。
  6. 塗装の仕上がりの確認
    施工前に、仕上がりのイメージや色の確認をしておくことが大切です。また、塗装後の確認もしっかり行い、細かい部分の仕上がりや塗りムラなどないかを確認しておくことが必要です。
  7. 施工後のアフターフォロー
    施工後のフォローアフターについても確認しておくことが大切です。

塗装専門業者からのアドバイスとして

外壁塗装は長期的に見て行う必要があります。安価な塗料を使って短期的にコストを削減することは、数年後には塗り替えをする必要が出てきます。だからといって耐用年数が長い塗料や高い塗料を選べば良いということではありません。専門業者に依頼することで、長期的なメリットを得ることができます。

外壁塗装は大きな費用が必要になるため、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。見積もりを比較することで、適正な価格を知ることができ、信頼性や実績なども比較することができます。

外壁塗装はDIYで行うこともできますが、専門業者に依頼することをおすすめします。プロは、適切な塗料選びや施工方法など、専門的な知識を持っています。塗装に必要な道具や機器も整っており、綺麗で仕上がりの良い外壁に仕上げてくれます。

外壁塗装を行った後は、定期的なメンテナンスが必要です。汚れが付着している場合は、早めに洗浄することで、塗装面を保護することができます。塗装後のメンテナンスを考慮した上で、外壁塗装を行うことが大切です。

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